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ショートストーリー <P3.>

※この物語に登場することは、すべてフィクションです。

「運命の輪 (同人誌「睡蓮」4号に掲載)


---つづき---

「誰かいるの?」

声が震える。

また、さっきよりも近くにいるような気がした。

「誰?」

もう一度尋ねる。

「わたくしは運命の輪の管理人です。」

声だけが聞こえた。

しかし、声といっても、耳に聞こえるのではなく、私の頭の中で直接言葉が響いている

感覚なのだ。

だから、相手が男なのか、女なのかさえも分からなかった。

これは夢?

さっきの事故で頭を打って、本当はまだ、意識が戻ってないのかしら。

「運命の輪って何ですか?それに、どうして、あなたは姿が見えないの?」

「私が見えないのは無の存在だからです。今日は、あなたに知ってもらいたいことがあっ

て、現れました。これからお話することは、すべて本当です。決して、夢ではありませ

ん。

現在、列車が横転する途中で時間を止めています。最終的には少し時間を過去に戻し、

この地下鉄事故はなかったことにします。」

それで、窓ガラスが割れていないことや、皆が動かないことが理解できた。

でも、時間を過去に戻すなんてこと、出来るものなのだろうか。

「だとすると、何故、私の時間だけ動いているのですか?」

「それは、この事故はあなたのせいで起こったことだからです。」


---つづく---

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